テレビやネットで可愛い猫さんを見かけたとき、「この柄かわいいなあー」って思う事ありますよね。
猫の毛色と柄に大きく関わっているのは色彩遺伝子です。色彩遺伝子の性質によってはメスだけに現れる柄やオスに多い色柄などもあります。
例えば、「三毛猫はほとんどがメス」というのは周知の事実でしょう。また、「茶トラのメスが産まれる確率は低い」ということも猫好きの人には良く知られていることですよね。遺伝の仕組みを知れば、その理由にもなるほど、と納得がいきます。
遺伝の仕組みって難しいので敬遠しがちですが(少なくとも私は)、今回私が受験した「ねこ検定」の猫の歴史でも関わってくる項目なのです。
ねこ検定についてはこちらをご覧ください。
猫の柄とおおまかな性格について書いた記事はこちら。
そんな猫の色彩遺伝について、ざっくりとまとめてみましたのでよろしければお付き合いくださいませ。
【目次】
猫の毛色を決定するのは10種類以上の遺伝子
確か、生物化学の授業でも人間の血液型(AAとかAOとか)習ったと思うのですが(^-^;遺伝子には優性と劣性の遺伝子があり、優性はアルファベットの大文字で、劣性は小文字で表されます。
例:白(white)の遺伝子であれば
- WW
- Ww
- ww
の3種類がそれぞれの遺伝子と掛け合わされて、数種類のパターンで子供が産まれてくるという仕組み。
性質が現れるのは基本的に優性遺伝子ですが、遺伝子の種類によって順位があります。詳しくは深すぎて私も足を踏み入れられないので、さらっとまとめます(`・ω・´)
【W】白最強伝説
猫の色彩遺伝子で最も強いのが白毛の遺伝子なんですって。
優性のW(大文字)遺伝子をひとつでも持っていれば、ほかの遺伝子を差し置いて全身が白くなる性質があります。裏を返せば、白猫さんは必ずWの優性遺伝子を持っているので、どんな柄の猫と交配しても、真っ白な柄の猫さんが産まれるというわけですね。
【O】人気の茶トラ必須の遺伝子
全身を白にする遺伝子「W」の次に強い遺伝子がオレンジ(=茶色)の遺伝子「O」。
三毛猫がメスのみの理由
このOとoの遺伝子は、染色体Xにしか存在できません。染色体は通常
- オス→XY
- メス→XX
という組み合わせになるので、オレンジとほかの色が混在できるのはメスのみ(Ooという組み合わせの場合のみ)となります。
つまり、三毛猫は通常メスのみというのはここからきているわけです。
茶トラのメスが少ない理由
茶トラになるためには両親の遺伝子に優性遺伝子のOが必要ですが、オスの場合は両親のどちらかがO遺伝子を持っていれば茶トラになる確率があります。
一方、メスの場合は両親のどちらにも優性遺伝子のOがなければ茶トラになれません。茶トラになる確率は、オス猫で約28%、メス猫で約7%といわれています。
【A】日本に一番多いキジ柄か、黒猫か
優性遺伝子のAがひとつ以上あれば、黒系のキジ柄が現れます。日本にはこのA遺伝子を持つ猫が多いというわけですね。劣性のaa遺伝子しかない場合は、縞模様のない黒やグレーなどの色になります。
【B・C・D・T・L・S…】ほかの遺伝子はざっと簡単に
いきなり端折りますが(笑)以下簡単に説明しますと
- B遺伝子…優性か劣性によって、黒、こげ茶、シナモンの3色が発生する
- C遺伝子…劣性のcだけを持つ場合のみ、体温の低いところで毛色を濃くする性質がある
- D遺伝子…劣性のdだけを持つ場合のみ、毛色を薄める
- T遺伝子…タビー(縞模様)。優性のTがひとつでもあれば縦縞模様に、劣性のtだけを持つ場合は渦巻模様(クラシックタビー)になる
- L遺伝子…毛の長さに関わる遺伝子。劣性のlだけを持つ場合のみ、長毛になる
- S遺伝子…スポット的に白い部分を作る遺伝子。SSで大部分が白毛、Ssで一部分のみが白に、ssでは白くならない
ほかにも遺伝子はあるのだそうですが、私の検定テキストではここまでとなっています。
いきなりですが問題です ~ねこ検定中級より~
ジャカジャン。
私が間違った問題をどうそ。
問)C遺伝子について間違っているのはどれか?
- 身体の一部分の毛色を濃くすることに関わっている
- 優性のC遺伝子は毛色を濃い色にしない性質がある
- 劣性のc遺伝子のみを持つ場合、働きは体温の高いところで現れやすい
- シャム猫はC遺伝子の現れ方がわかりやすい
答え:4
ちゃんと勉強できていなかった私は、2と答えて間違っていました。シャム猫は体温の低い耳や鼻周辺のみ毛色が出ているので、優性のCではなく劣性のcの特徴が分かりやすく出ているのです。
猫の毛色や柄を見ながら思いを馳せてみては
小難しいお話にお付き合いいただきましてありがとうございました。
こんなことを知らなくても猫と暮らす分には何の問題もありません。今回ねこ検定を受験して初めて知ったようなものです。
でも、毛色や柄の現れる仕組みを知った(すべて理解したわけではありませんが)ことで、おもしろいと思えるようになりました。
猫と暮らしたいと思っていた頃は何も考えず、なんとなく茶トラの女の子がいたらいいなあと考えていましたが、そんなに茶トラのメスが珍しいことを知りませんでしたし。
遺伝子の話は奥が深いので、追求するとキリがありませんが、三毛猫や茶トラのエピソードは知っておいても損はないかもしれませんね。
上級検定には、どんな問題が出るのやら(*_*)
※今回参考にしたサイト
トラ猫から黒い子猫も… 猫の柄はこう決まる! 動物学者が解説 | sippo(シッポ) |
茶トラの歴史、特徴、性格 – 毛色別に猫を解説 | Cat Press
こちらのサイトと、検定テキスト↓↓を参考にさせていただきました。