先日、我が家に遊びに来た親戚が何気なく言った言葉。
「メス猫2匹だと生理もあるから大変でしょう」
いやいやいや、猫に生理はないんだよー、と説明したことを覚えています。
でも、よく考えてみたら、猫に生理がないことは今でこそ私にとって常識ですが、少し前までは私だって猫について何も知らなかったわけです。
ここで感じたのは、実際に猫を飼っているか身近に猫がいない限り、大概の人は知らない、いや、考えたことなどないのではないかということ。
そこで、今回は猫に生理はない理由と猫の繁殖について、そして無知ゆえに人間が引き起こす問題について考えてみたいと思います。
※猫飼いさんはお詳しい方も多いと思いますので、知っていましたらどうぞスルーしてくださいね^^
【目次】
猫に生理がない理由と繁殖の仕組み
改めて調べてみたところ、知恵袋のサイトでも同様の質問が多いことが分がりました。確かに、犬に生理があるのだから猫にもあるだろうと思うのが自然かもしれません。
また、信じられませんがときどき検索上位にあるサイトなどでも、「猫には生理がある」と間違った情報が書いてあることがあります。
恐らくは知識がない人がライティングされているのでしょうが…残念です。
排卵の仕組みが違う
人間の場合、排卵が終わったあとに授精しなければ生理となって出血しますよね。
犬の場合は人間の場合とは少し違い、排卵前から出血が起こり、排卵から授精へと子宮の準備が整うのだそうです。(ヒートと呼ばれます)
一方猫の場合、排卵は交尾をすることによって起こります。
これを「交尾排卵動物」と呼ぶのだそうです。
発情期は年に2~3回
一般的に犬の発情期が年1~2回とされているのに対し、猫は3~4回といわれています。
日照時間が長く、子猫が育ちやすい環境だと発情回数も多いとのこと。
犬と違って出血がないので外的には発情の有無は分かりにくいのですが、人間の赤ちゃんのような鳴き声や、マーキング(体をこすりつけて臭いをつける)などが多くなります。
それにより雄猫を誘い、交尾が行われると時間差で排卵する仕組みです。
思えば、昔実家の辺りでも「盛り」のついた猫の鳴き声が良く聞こえたことを思い出す…。
発情期間は平均で2~3週間程度で、期間中複数の違う雄猫と交尾を行えば、それぞれ父親の違う子猫が同時に産まれてくることもあります。
少しでも多く子孫を残すための自然な仕組みなんですね。
出産は年に3~4回可能
猫の妊娠期間は2カ月程度といわれ、年に3~4回も出産できるのです。
つまり、猫はとても繁殖力が強いということがわかりますよね。避妊去勢していない猫を複数飼育すれば、あっという間に増えてしまうのも当然です。
さいたま市のHPに、イラスト入りで分かりやすい表がありました。
野良猫を増やさない、不幸な猫を増やさないために知っておきたい知識です。
猫の繁殖力を侮るなかれ。無知からの悲劇
多頭飼育崩壊
ニュースなどでも良く耳にする「多頭飼育崩壊」。
もちろん犬の場合でもありますが、飼い主さんが猫の繁殖力を侮った結果生じている問題であることが多く見受けられます。
「最初は2匹だけだった」
「子猫を産ませたかった」
など、はじめからそんなに増やすつもりではなかった場合がほとんど。
気が付いたら取り返しのつかない数に増えていて、今さら手術できる財力もない…という顛末。結局、保護猫施設などに助けを求めるわけです。
少し前、私の住む地域で子供を虐待死させる悲しい事件がありましたが、なんとそこでも猫の多頭飼育が発覚し、地元の保護猫施設がレスキューしてくれました。
( ぽぽんた (id:mgpoponta)様、その節は拡散協力ありがとうございました!)
※当時の記事です。
ここの現場で最初に飼われた猫は、もともと高級な血統猫だったと聞きます。最初はとても可愛がっていたのでしょうに。
初めてこのことを知った時は、虐待された挙句亡くなってしまった娘さんのことと共に怒りが抑えられませんでした。
※現在は多くのボランティアさんと募金のおかげで、この現場の猫たちはきちんとケアされて譲渡へと繋がっているとのこと。良かった…。
多頭飼育崩壊は私の住む地域だけでもとても多く、解決していない問題です。
今回の例はちょっと特殊ですが、多くは親切心から野良猫を家に入れてあげたことがきっかけだと聞きます。
そのときに猫の繁殖について知識があったなら。
こんな悲劇は起こらないのでは?と思います。
野良猫の餌やり問題
野良猫問題は実に根深く、難しい問題です。
実際のところ、餌をやる人がいないと野良猫が生きていくのは厳しいともいわれています。
猫はいつも餌をもらえることがわかると、その辺りを縄張りにして繁殖していくため、どんどん増えてしまうわけです。
この辺も上記のさいたま市のHPに詳しく書いてあります。
餌やりさんの多くは餌をあげるだけで、猫の繁殖や排泄問題にはそっぽを向いてしまう人が多いのだとか。
その一方で、野良猫が迷惑だから保健所に連れて行くと言う人もいます。
保健所=ほぼ殺処分なのに…。
私の実家辺りでは、今でも「餌やりさんVS猫嫌いさん」の図式が根深く残っていて、たびたび町内でも問題になっているようです。
これらの問題はすぐには解決しませんが、猫に不妊手術を行い、リリースする活動「TNR」(trap,neuter,return)を行うことで、繁殖を防いでいます。
不妊手術を施された猫は耳の先を小さくカットし、目印にしています。
(さくらねこ)
そもそも、私がこのような問題を知るきっかけになったのは地元の保護猫施設、ツキネコさんのブログを読んだことです。
すべての野良猫を保護することは不可能であるため、TNRが広まっているものの、やはり問題は「誰が手術費用を出すのか」ということ。
TNR限定で安く手術を行ってくれたり、自治体によっては補助金を出したりする場合もあるようですが、少なからず費用は持ち出さなければならないのが現状です。
また、北海道のような冬が厳しい地域では野良猫が生きていくのは相当厳しいでしょう。
いつもツキネコさんのブログを読みながら、難しい問題だなあと思っています。
おわりに
猫に生理はない理由と、強い繁殖力により野良猫が増えてしまう問題について書きました。
すっかり猫との暮らしに慣れてしまった私ですが、(たかだか2年ちょっとですけど)最初は私も何も知らなかったんです。
もともと、このブログはこれから猫を迎えようとしている人に向けて、私が得た知識をシェアしたいと思って開設したことを思い出し、改めて記事にしてみました。
このブログを読んでくれている人は猫好きさんが多いでしょうから、既に知っていることだったり実際に活動されていたりする方なども多いと思います。
それでも、何かのきっかけで私のブログにたどり着く人がいて、何かしら得るものがあったとしたらうれしいです(*´ω`)
多額の寄付もできず、ボランティア活動をする自信もない私に今できることは、
「伝える」くらいなので…。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ねこ検定の勉強始めなきゃ…(^^;
猫の不妊手術の必要性について詳しく書いた記事はこちら。
我が家の猫が避妊手術を行った時の記事はこちらです。